【CDレビュー】めぞん一刻 テーマソングベスト
「めぞん一刻 テーマソングベスト」のCDを買ってみました。
前に「うる星やつら」のCDを買ってみたところ、かなり面白く聴けたので、めぞん一刻のほうはどうだろうと思って。
「うる星やつら」のテーマソングは、いろんな作曲家やミュージシャンが手掛けています。が、インスピレーションが固まっていて、ラテン系電子的音楽で統一されています。
「めぞん一刻」のほうも、相当豪華なアーティストが参加しているのですが、曲によってイメージが全然バラバラなんです(笑。
確かに「めぞん一刻」のほうが、とらえがたいものがあるし、イメージが人によってマチマチなのも、作品の性格上そうなるのかも知れません。
管理人さんの性格ひとつとっても、意外性の塊みたいな感じですもんね。
エンディングテーマのほうは、割とフィットしていると思うのですが、オープニングは本当に色々です。試行錯誤のあとなのでしょうかね?オープニングから見ていきたいと思います。
- 1.悲しみよこんにちは
- 2.明日晴れるか
- 3.シ・ネ・マ
- 4.アローン・アゲイン
- 5.ゲット・ダウン
- 6.好きさ
- 7.ファンタジー
- 8.サニーシャイニーモーニング
- 9.サヨナラの素描(デッサン)
- 10.陽だまり
- 11.ビギン・ザ・ナイト
- 12.硝子のキッス
- 13.予感
- 14.夢の入口へ
「うる星やつら」は女性アーティストが多かったですが、「めぞん一刻」は男性アーティストが多いですね。
1.オープニングテーマ
「悲しみよこんにちは」
「めぞん一刻」は、私が中学の時に、TVで見たのですが、やっぱり主題歌といえば、「悲しみよこんにちは」です。
歌詞は少し子供っぽいですが、(アニメだから当然だけど)、曲はなかなかいい感じですし、アレンジも良いです。これが一番「めぞん一刻」のイメージに合うかも知れません。けど、終盤の恋愛関係がスリリングに進展していく場面には、そぐわないかも知れませんが。。
作曲は、安全地帯の玉置浩二です。安全地帯の曲とは全然違いますけど。
にしても
「知らない人にも、おはようって言えたの」
って、その部分はマジで小学生みたいな歌詞だなぁ。
アニメを見ていた人たちは、小学生も多かったと思うし、当時中学生の私も不自然さは感じていませんでしたけど。
「アローン・アゲイン」
洋楽の有名な曲ですが、第24話のオープニングで使用されました。アニメのオープニングには一度しか使われていないのですが、このCDにはちゃんと入っています。
オサリバンのアローン・アゲインは、どう考えても「めぞん一刻」に合わないような。。また、映画版のオープニングに使われました。
アニメのほうでは、五代が見つけた惣一郎さん(犬)が夕暮れ時に時計坂にいるシルエットを響子が見て、そこに亡き惣一郎さんの姿を見てしまうという、幻想的でデジャヴな名シーンがあるのですが、そこでもアローン・アゲインが使われています。
この曲はタイトルからして「アローン・アゲイン」=「また一人」という意味ですし、さらに歌詞を読んでいくと、使いたい気持ちは分からなくはないのですが、やっぱり洋楽は「めぞん一刻」の雰囲気には合わないみたいです。
しかし、やっぱり名曲なので聴き応えがあります。エンディングテーマを作った来生たかおはオサリヴァンのファンで、共作シングルをリリースしているなど、何かつながりを感じる曲ですね。
「好きさ」
このCDで一番印象的な曲は、安全地帯の「好きさ」ですね。
歌詞は、もうそのまんま、どストレートで、良くこの歌詞で、こんな名曲が作れたなぁ、と感心しきりです。歌詞の内容に、本当に相応しい曲になってますし、歌唱のほうも凄いです。
(良く考えると、好きよ、好きよ、と連呼とする「ラムのラブソング」も、近いものがありますけど。)
ただ、「めぞん一刻」にあっているかといわれるとどうなんでしょう?
確かに、五代にしろ、三鷹にしろ、何年もアプローチをかけ続け続けるのに、響子は誰とも付き合わないという凄いストーリーなのでありますが、ここまでストレートだと、何かが違うような。。
良く見ると作曲は「悲しみよこんにちは」と同じ玉置浩二ですね。なるほど、すごい才能です。全然違う曲なのにどっちも名曲です。って、当時安全地帯の曲はそれなりに良く聴いてたはずなんですけど。
「サニーシャイニーモーニング」
「サニーシャイニーモーニング」は、中学の時に見ていたころ、一番印象に残っていた曲です。というのは、ちょうど「マリア様」という歌詞のところで、アニメーションも含めて良く覚えているんです。(というか、他の曲を忘れているので、相当記憶力がないともいえますけど。)
少しラテン系なノリの音楽ですが、高橋留美子の作品って何故かラテン系の曲は良くあいます。
この「マリア様」=音無響子という、アニメ版特有の(間違った)イメージを(わざと?)植え付けた曲である訳ですが、当時の私は、自然に受け入れてました。
あのアニメーションを見ていると少し大人っぽくて「マリア様」っぽくもあるし、逆にフランス語版の「ジュリエット」のイメージにも近いものがありますね。
ちなみに、この「サニーシャイニーモーニング」は前半はいい感じなのですが、後半はなんだか、工夫しすぎて、練り上げ不足な感じです。それと、やっぱり、この曲はアニメーションがあったほうがいいですね。
アニメでは入っていない2番以降の歌詞なのですが、
シャワーのかわりに雨の都会をさまようのさ、
人間やめたい時さえあるけど、やめられない
って、なんだか急に妙に深刻なんだよなぁ?音楽も歌詞もなんだか不安定な感じ?
いずれにせよ、一番のアニメのテーマソングになっている部分は、「めぞん一刻」のテーマソングとして、よく合っているし自然に聴けると思います。
「硝子のキッス」
「硝子のキッス」は劇場版の最終回で使われているエンディングで、いかにもアニソンっぽい感じですね。歌詞もなかなか面白いです。
好きだって言えないまま、いくつ季節がすぎたの、、
って、季節とかいう生温いレベルでなくて、5年とか歳月が過ぎているんですから。。。
3.エンディングテーマ
さて、エンディングテーマのほうも触れておきたいと思います。
「あした晴れるか」
最初は来生たかおの「あした晴れるか」です。一発目から、まさにめぞん一刻のエンディングに相応しい名曲です。
歌詞はめぞん一刻のテーマソングの中で一番良いです。
ふれるほど近く くちびる 胸もと こんなにも僕を危険にさせとく、、、
うーん、めぞん一刻の本質を突いている感じですね。
編曲も素晴らしいです。このCDの中でもトップを争う名曲と思います。
この曲が うまくイメージを捕らえたからか、これから先のエンディングもほぼこの路線です。
「シ・ネ・マ」、「ファンタジー」、「サヨナラの素描」、「ビギンザナイト」
ピカソの「シ・ネ・マ」「ファンタジー」「サヨナラの素描」「ビギンザナイト」もその路線を踏しています。「シネマ」はタンゴのリズムと、アコーディオンを使って、良い雰囲気を出しています。「ビギン・ザ・ナイト」の作詞は来生えつこですね。
ピカソの曲は良い曲揃いで聴きやすいです。めぞん一刻の他にあまり楽曲が無いのが残念です。ピカソというバンド名も検索すると画家しか出てこないと思うので、だいぶ損している気がしますね。
番外
ちなみに、2007年のドラマ版では、ユーミンの曲が「めぞん一刻」にぴったりであることが分かりました。なるほど。実は、アニメの挿入歌でもユーミンがあるようなのですが。。
これが入っていればもっと面白かったかもしれません。惜しかったですね。
キャラクターソンング
あと、このCDには、音無響子役の声優島本須美が歌う「予感」と「夢の入口へ」の2曲が入っています。
まとめ
「めぞん一刻テーマソング」には、アイドルが歌うJ-POP、当時の日本の一流ミュージシャンの作品、声優のキャラクターソング、さらには洋楽に至るまで、本当にいろいろな曲が入っていて、中身が濃かったです。
一枚でこれだけいろいろな曲が聴けるCDも少ないのではないでしょうか?
しかも、チャレンジングな曲が多く、名曲といえるものも何曲も入っていて聴き応えがあり、かなり面白く楽しめるCDでした。