1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

五代裕作

五代裕作は『めぞん一刻』の主人公です。田舎(新潟)から出てきた浪人生で貧乏な「苦学生」です。

坂本など友人達は当時なら普通の学生生活をエンジョイしていますが、五代だけは昔の貧乏な「苦学生」の生き残りで、一人で苦学生をやっているんです。

五代の背丈は響子と釣り合う感じ。高校時代はラグビー部で運動神経は悪くなく意外と筋肉質です。見た目も特に悪いというわけではないです。

ライバルの三鷹が登場しても諦めることなく三角関係を成立させたり、終盤では就職活動に失敗して人生どん底の中、響子に告白するなど、打たれ強いタイプでもあります。

『めぞん一刻』よりも一世代前のステレオタイプ

性格は優柔不断で頼りなく、音無響子に一目惚れするも、チャンスが沢山あるのに正攻法では気持ちを伝えられません。

その情けなさは、さらに一世代前の10代の青春を描いた小説の主人公のようです。おそらく壮大な妄想癖や、響子を押し倒そうとするところも含めて「青葉繁れる」の影響を受けているキャラだと思います。

さらにデフォルメされていて「史上最弱の主人公」という人もいるようです。

キスシーンの直前
終盤は特に暗さが目立ってますね

その辺りは男性読者が感情移入しやすいですね。『うる星やつら』の諸星あたるなんか、まるで共感できないキャラですから。

一刻館の5号室に住んでいるので、その数字が入った苗字です。5という数字自体に意味があったんですね。「野田秀樹と高橋留美子」という本に詳しく論じられていて、この分析はなんだか凄いです。

何故かモテる五代

理解できない所は、なぜかモテるという所ですかね?もともと情けないのに話が進んでいくとさらに落ちていく...。なのに女の子にはモテるようで、しかもかわいい子ばかり。みんな向こうからやってくるという始末です。響子よりモテてるんじゃないかという勢いです。

こずえちゃん 八神
こずえちゃんと八神

高橋留美子作品では、男が女を好きになる瞬間は描いていますが(いずれも一目惚れだが)、女が男を好きになる瞬間を(八神を除き)あまり描いていないので、なお良くわからない現象ですね。蓼食う虫も好き好きってところなんでしょうか。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

北海するめ下足 1kg ゲソ スルメ いか 足 げそ 真いか 無添加 無着色 無味付 天然素材
価格:6696円(税込、送料別) (2020/7/24時点)
『めぞん一刻』といえばスルメ。響子も大好物!

一刻館で大人に成長していく

一刻館はモラトリアムであるという風によく言われます。モラトリアムとは「猶予期間」です。

本来は、大人になるために必要であって、社会的にも認められた猶予期間を指す。
<中略>
日本では、小此木啓吾の『モラトリアム人間の時代』(1978年)などの影響で、社会的に認められた期間を徒過したにもかかわらず猶予を求める状態を指して、否定的意味で用いられることが多い

小此木啓吾『モラトリアム人間の時代』は当時の名著で、ちょうど『めぞん一刻』が連載される前に大ヒットしました。ちょうど大学に行く人が大幅に増えた時代です。あまり厳しく勉強しない日本の大学はモラトリアムのようなものですね。

一刻館は五代が社会に出るまでのモラトリアムといえますし、響子が次のステップを歩み始めるまでの「猶予期間」を与えてくれる場所でもありますね。

五代は一刻館というモラトリアムの中で、いろんな試練に耐えて成長していくキャラなんです。

第39話「事件」から始まる五代の家出エピソードでは、一刻館を家出した五代は厳しい世の中に放り出され、引っ越しすればヤ○ザと一緒に住むことになるし、坂本の家にも居られなくなり、最後は路頭に迷うところまで行ってしまいます。この時の五代は一刻館というモラトリアムの中でないと生きていけない弱いキャラでした。

街を歩く五代
一刻館を出ると、最後は路頭に迷ってしまうところまで落ちていく (第43話「坂の途中」)

五代は、次々に襲ってくる人生の苦難みたいなものを一身に受け止めていきます。 特に就職に失敗して、就職浪人するんですから相当な試練ですよね。 そしてキャバレーの呼び込みバイトをするシーンなんて象徴的です。

キャバレーの呼び込みをする五代
キャバレーの呼び込みをする五代

でも、全然弱音をはくことはないんですよね。そして最大の試練の中でやっと自分を見つけて、保父を目指すことになります。

キャバレーで子供の世話をする五代
キャバレーで自分の天職を見つけるのでした

不器用なキャラですけど、精神的にはとても強いキャラなんです。なので草食系男子とはちょっと違いますね。

最後は追い詰められた響子を受け止める

五代は浪人生時代から結婚まで、7年以上もの長い歳月の間、響子を愛し続けたんですから凄い話です。あのヘビーなベッドシーンに臨んで一回目は失敗したとはいえ、二回目にはちゃんと響子を受け止めたんですから、そこも凄いと思います。

それに五代は自分自身も就職が決まらなくて、人生の試練に立たされている状況でも、響子のことを最優先に考えているんです。そしてドラマティックに告白して、ヘビーな荷物を背負ったまま限界に来てしまった響子を受け止めるんですから、すごいメンタルだと思いますね。

告白シーン 告白されたあと
響子に告白するシーン。TV版アニメでも名シーンですよ。

五代は、響子に一目惚れして、初期から何度も「好きだ」と言っているし、行動を見れば誰が見たって一目瞭然です。でもちゃんと響子を見て告白したのってここが初めてなんですね。

普通の女性からすれば、ここまで愛されることはなかなか無い気がするし、これだけ感動的なストーリーがあったら五代を選んで当然と思うんですけど...
世の女性たちは、三鷹のほうが人気なんですね。まあ確かに安心した生活を送れるだろうし、もちろん三鷹も悪い人じゃないですけど。

男性の筆者からすると、五代って結構すごいキャラだし、エラいなと思うことも沢山ありますよ。結婚して幸せになれるかは知りませんけど、笑

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

App Store & iTunes ギフトカード
(送料無料) (2020/7/24時点)


五代はラブコメの典型キャラ

五代自身は段々成長していく意外と力強いキャラなのですが、その後のラブコメディの典型になり草食系男子の元祖になりました。今の漫画だってぱっと見ですが、男性の風貌は五代(特にアニメ版の一部)に似てるなぁと思います。

原作の五代は、眉毛が太くて劇画風のキャラになっています。

五代

響子はどんどん洗練されていくのですが、五代のほうはあまり変わらず眉毛も太いままで、劇画調を継承してますね。第7巻くらいになってやっと眉毛が細くなってすっきりした顔立ちになってきます。

TV版アニメでは、時期によって少し違ってきます。最初は子供っぽい弟キャラでしたが、段々と顔立ちがスッキリしてきます。ただ、終盤はちょっと情けない雰囲気が前面に出ていて、話し方もちょっと暗すぎかな?と思いますけど。

五代五代
後半の金沢旅行のエピソードでは、草食男子って感じのキャラになっています。 (第109話「同行二人」)
「めぞん一刻」アニメ版
VOD:ビデオオンデマンド Amazonプライム(一話110円)

■更新日:2019/12/19

^