音無響子のライバルたち
音無響子はすごい美人のはずなのに、まともに言い寄ってきたのは五代と三鷹だけなんです。美女過ぎて敷居が高いのか?行動範囲が狭いからか?
逆に五代と三鷹には、向こうから美女がやってきて、響子のライバルになって行きます。

響子は籍を抜いていないし、誰とも付き合っていないので、ややこしい関係なのですが、ライバルが出てくると響子のほうも安穏(あんのん)としていられなくなるんです。

ライバルたちは、それぞれ全然違うタイプの女性たちですが、響子と違って、みんな自分の気持ちに素直なのが共通点ですね。それから1980年代くらいだとライバル全員が処女っていうのも、響子にとってはコンプレックスでしょうね。
一刻館に住んでいないけれど名前に数字がついているので、ある意味「一刻館の住人の名前に部屋番号がついている」という言い方は、あまり正確ではなさそうですね。
響子と惣一郎を中心としたヒエラルキー説というのもあるのですが、数字のついた登場人物たちは、次のステップへ歩み出すことを放棄している響子によって、あるいはその先にいるであろう見えない存在の亡き惣一郎によって、時間を止められてしまうんですね。