1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

第7話「春のわさび」(惣一郎の2回忌)

今回は非常に有名で大事なエピソードです。音無響子は未亡人であったこと、夫は音無惣一郎で結婚してわずか半年で亡くなったことの2つが、わずかな言葉で明かされます。

五代からすれば、既婚者であったこと自体が既にショッキングですけど、未亡人であることはさらにショッキング。まさに「春のわさび」ですね。五代の名ゼリフも出てきます。

ブルーレイ:一枚目
TVシリーズ第06話「春はショッキング!響子さんの秘密!!」
主な登場人物:五代裕作,音無響子,音無のじいさん,音無郁子,

響子さんの秘密

ここまで五代に平手打ちかましたり、と思えば受験の応援をしてみたり、ビールで泥酔したりと意外性を発揮してきた音無響子ですが、ここに来てさらに最大の秘密が明かされます。

桜の季節

春で桜が満開な季節ですが、高橋留美子作品では「桜」は特別な意味を持っていることが多いですね。

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舞台は整った

とうとう『めぞん一刻』の一番大事な秘密が明かされる時がきました。

響子の義父である音無のじいさんと、姪(めい)の郁子が一刻館にやってきます。

一刻館にて

管理人さんが大家の娘であることが判ったので、これも十分面白い秘密ですけれど、これは「響子さんの秘密」とは違います。こういった前フリはよく出てくるパターンですね。

五代は、音無のじいさんを響子の父親と勘違いし、腰が悪いのを助けて付き添うことになります。

一刻館にて

どこに行くかも知らされずに響子ら音無一家につきそっていくと、そこは墓地。

五代「あの、これ誰の、、、」
響子「主人ですの」

その一言で、実は響子は既に結婚していた、そして夫の死によって未亡人になってしまった、という衝撃的な真実が瞬間的に判明してしまいます。

音無のじいさんの話で、響子は半年の結婚生活の後、夫であった惣一郎の死によって未亡人になったことが明かされます。

悲劇的な感情表現はないものの、まだ2回忌なので、かなり神妙なお墓参りのシーンになっています。亡くなってまだ一年なのに五代を除けばたった3人でのお墓参りです。少ない言葉のシンプルな会話の中で全てを知ることになります。

惣一郎の墓

TV版アニメでは急に強風が吹いてきて、ちょっと分かり易すぎる演出です。原作では確かに風が吹いてきていますが、大分ニュアンスが違いますね。

響子は喪服ではなくて、白っぽい服を着ていますね。TV版アニメではピンク色の服を着ています。
喪服を着るのかと思ってましたが、それだと初めからお墓参りにいくことが分かってしまうので、色を変えたんでしょうか。
調べたら三回忌とかの法要でなければ、特に服は決まっていないのか。

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お墓の前で...

これから毎年春になると、お墓参りのシーンが出てきます。
お墓の前で、響子の微妙な心情の変化や、周囲の人びととの丁々発止なやり取りが繰り広げられます。ラブコメなのに「お墓の前」を大事な舞台にするところが高橋留美子氏らしいですね。
しかも登場人物たちは、普通お墓の前では遠慮してしないような事を平気で言ったり、やっていたりしています。

フランス語版の音無響子は「ジュリエット」という名前に変わっていますが、こういうシーンから想起したんでしょうね。でも「ロミオとジュリエット」と違ってシリアスな話ではありません。(そういえば、この後そんなエピソードも出てくるので、作者も「ロミオとジュリエット」は意識していたのかも知れませんね。)もっと現実的で下世話なストーリーが展開されます。

名セリフ「死人は無敵」

最初から未亡人だと分かっていれば、五代も躊躇したかも知れません。でも、一目惚れからさらにここまで進んでいるので、簡単には戻れない状況です。

「生きていれば、いろいろな欠点も見えてくるだろう。
でも死人は無敵だ。彼女の中で理想像が増殖していく...」

五代の心の中のセリフっぽいのですが、しっかりしすぎていて五代らしくない気がします...

この前、「春遠からじ」だったのに、このエピソードで春は随分先に行ってしまったようですね。

未亡人って

筆者が中学のころTV放送されていたのですが、未亡人という名前は『めぞん一刻』で初めて知った気がします。漫画なのにすごい設定なんだなぁと、みんなびっくりしていたし、この漫画は他とはちょっと違うぞ、という雰囲気でした。

今はネットの時代なので「音無響子が未亡人」ということは知っている人がほとんどでしょうね。

当時の未亡人のイメージですけど、夏目漱石の「こころ」には出てきます。作者の語録を見ると「下宿といえば未亡人」と連想したらしいので、文学ではよくある設定なのかも知れません。

ネットで「未亡人」で調べた所、有意義な情報が見つけられませんでした。

「若後家」で調べると江戸時代の浮世絵があります。これはちょっと色物かな?
さらに調べてみたら映画「若後家海女うずく」というのがありました。1980年公開って連載開始のころですね。完全な色物です。
あとは『めぞん一刻』でも五代と坂本がソープを梯子しているときに、看板に未亡人仏壇返し…(第103話「犬が好き」PartⅡ)

音無響子は亡き夫に操をささげる純真なイメージです。『めぞん一刻』で未亡人のイメージは大きく変わったかも知れませんね。2008年の大河ドラマ「篤姫」も未亡人を描いていますが、純真なイメージになっていますよね。

ヨーロッパのほうでは「メリー・ウィドー」という有名なオペレッタがあります。「メリー・ウィドー」は「明るい未亡人」という意味です。未亡人がちゃんと恋愛して再婚するというストーリーなので、欧米では未亡人がヒロインという設定は自然に受け入れられたかも知れませんね。

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■更新日:2019/10/14

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