1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

第87話「VS.乙女」、第88話「こころ」

八神いぶきが初登場するエピソードです。五代は響子の母校の女子高校で教育実習をします。学級委員長の八神が騒がしいクラスを静めますが、その時の状況はまるで高校時代の響子と同じでした。資料室で惣一郎の写真を見ようと卒業アルバムを見る五代ですが、八神はその様子をみて、恋人が死んだのだと誤解し、五代に恋心をいだきます。『めぞん一刻』をかき回す八神いぶきの登場です。

ブルーレイ:8枚目
TVシリーズ第53話「女子高生パワー爆発響子に恋の宣戦布告」
主な出演者:音無響子,五代裕作,八神いぶき,一の瀬夫人,他

ストーリー(あらすじ)

五代、響子の母校で教育実習

五代は大学の教育実習ですが、願書を出すのが遅れてしまい、音無のじいさんが理事を務める響子の母校の女子高校で教育実習することになります。
亡き惣一郎も、音無のじいさんの口利きで、響子の通う女子高校の講師になったのでした。

響子の高校時代の思い出

一方、響子は高校時代に惣一郎(旦那)が初めて授業を受け持った時のことを思い出します。
響子は学級委員長でした。惣一郎(旦那)は授業を始めようとしますが、女子校の生徒はなかなか静まりません。そこで響子が立ち上がり、机をたたきながら、

響子「ちょっとみんな、静かにしてっ!
惣一郎「あ、どうもありがとうございます
響子「どおいたしまして。」

これが惣一郎(旦那)と交わした最初の言葉のようですね。授業が終わった後、廊下にて

惣一郎「千草さん、さっきはどーも」
響子「いーえ、委員長ですから

おとなしい先生=音無い先生ってことですね。名前が先か、キャラクラー設定が先か、分かりませんけど。

五代の教育実習初日、八神登場

一方、五代の教育実習初日ですが、前日の宴会で寝不足でした。五代が自己紹介すると、騒ぎはじめてなかなか静まらない女子高生たち。

そこに学級委員長の八神が立ち上がり、机をバンバンたたきながら

八神「ちょっとみんな、静かにしてッ
五代「ど、どうもありがとう。
八神「いーえ、委員長ですから

というわけで、響子のときとほぼ同じことが起こったのでした。

第35話「ふりむいた惣一郎」の時と同じで、デジャヴなシーンであっても全く同じにはしないですね。同じセリフなのに、一方はカタカナを使ったり。

五代(心の声)「へー委員長か...なかなかかわいい子だな」

ところで惣一郎がはじめて響子を見た時にどう思ったかは描かれていないですね。でも、ここまで同じなんだから、惣一郎も響子を見て同じことを考えたかも知れませんね。一方、響子は一目惚れってことはなさそうです。

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八神、五代に恋をする

八神も、五代に一目惚れってことはありませんでした。
五代は、響子と惣一郎のことを想像しますが、卒業アルバムを見れば惣一郎の写真を見られるのではないかと思いつきます。「資料室」で卒業アルバムを探して見ると、驚きの事態が...

確かにこれはビビりますよね。でも、このなかなかのミステリーには一切お構いなく、惣一郎の顔を見られなかった五代は気が抜けて眠くなってしまい、あくびがでてしまいます。

五代「ばかだなおれ...死んじまった人間のことをいつまでも...」

ちょうど、そこに八神がいて、五代がアルバムを見て涙ぐんでいたと勘違いします。

八神「恋人が死んだんだわ。彼女はここの卒業生で...」

八神は学級委員長だけあって(?)、頭が良いので推理も鋭いですね。惜しいですけど、かなり先走って思いきり勘違いしています。

正解は「卒業生の旦那が死んでしまい、まだ恋人じゃないけど、元の旦那が気になってアルバムを見ていた」ですね。(複雑すぎ、笑)

『めぞん一刻』ではめずらしく恋の瞬間を描いています。この「恋の瞬間」には惣一郎が絡んでいるんですね。五代が惣一郎を見ようと卒業アルバムを見ている時に、八神が勘違いして恋をしたのですから。

この女子高校の好きな先生のシャツにハートマークをつける伝統がありました。響子は音無先生にハートマークをつけようとして寸前で怯んでしまって実行できませんでした。

八神は五代に同じことを実行して、実際にハートマークをつけてしまいます。

八神、一刻館へ

八神は五代の授業を受けながら、想像をどんどん膨らましていきます。
一方、一刻館で響子は五代のシャツにハートマークを見つけ、洗濯して消してしまいます。
八神たち女子高生4人は、五代についていって一刻館までやってきます。

女子高生A「ほんっとの下宿屋」
女子高生B「アパートじゃなくて下宿屋だわ」

一刻館は、まるで五代の授業で習っている夏目漱石の「こころ」の舞台のような下宿。「こころ」は素人下宿で、家の空き部屋に下宿人を住まわせるというものですけど。

そして、下宿で美人の響子と会った女子高生たち。「こころ」では、未亡人とその娘が住んでいて、主人公は未亡人ではなく、娘のほうに恋をします。早速、一刻館にやってきた女子高生の八神は娘役でしょうね、きっと。

五代の部屋まで上がってもらうことになります。そこに飲み物をもって入ってくる響子。わざとかどうか響子はそこでさっき洗濯したワイシャツを五代に渡します。八神の反応で誰がつけたか分かってしまいますね。

折角つけたハートマークを消されてしまった八神。一刻館の住人たちの話で響子が未亡人であることを知ります。一刻館って、こうやってみるとなかなか文学的なところですね。

4人は帰りますが、その途中、

女子高生A「あやしいよね」
女子高生B「うん、あやしい。未亡人と下宿人っ...あやしいっ」
八神「だいたい相手は未亡人じゃない。未亡人よりは女子高生のほうが有利よっ

このセリフ面白いですね。

「こころ」の授業

五代の授業で質問がないかと聞くと、八神が手を挙げます。

すごいストレートな質問ですね。しかも授業中…

「こころ」に絡めて、こんな発言をしてくるなんて、八神はかわいいだけじゃなく、頭も良いですね。空気はよめなさそうなタイプですけど。響子の高校時代にダブりますが、八神は響子よりもストレートで強力なキャラですね。

八神、響子に宣戦布告

八神は五代に抱きついて、その写真を友達にとってもらって、一刻館の響子宛に送ります。この時点で響子は、女子高生の八神に対しては余裕がたっぷりです。

巧妙なストーリーに脱帽

『めぞん一刻』も後半に入りました。このエピソードはきっと時間をかけて構想していたんじゃないか、と思えます。この八神の登場のエピソードは、響子と惣一郎がはじめて会ったシーンと対比させて、とても巧妙に描かれています。

八神いぶきは、響子の若い頃の幻影ですよね。

夏目漱石の「こころ」は『めぞん一刻』自体のインピレーションに関わっていると思いますが、教育実習と絡めて出してくるなんて凄いアイデアですね。 その「こころ」を題材にした教育実習の最中に、女子高生たちは時代遅れの下宿屋風の一刻館にやってきて、五代と未亡人の響子が住んでいることを知ります。

八神が五代に恋をして、一刻館にきて響子と会ったのは、惣一郎(旦那)が関係しているように思えるんですけど、どうなんでしょう。

八神は今後も頻繁に一刻館にやってきます。つまり「こころ」のヒロインである「娘」が一刻館に登場したんです。はじめて「こころ」を読んだ時、あれっと思ったのですが、未亡人でなく、その娘がヒロインなんですよね。

惣一郎は八神を五代に当てがって響子を守ろうとしたのでしょうか?

授業中、八神は「こころ」の登場人物を使って、五代の響子に対する気持ちを聞き出そうとします。そしてこの後、響子からも五代への気持ちを聞き出そうとします。ライバルでありながら、響子自身の気持ちを整理して再認識させてしまうんです。

八神の魅力

それにしても、八神はキャラとしての役割以上に、八神自身が魅力的なキャラクターであって、ページを作っていても絵になるシーンが多いので、イメージを選ぶのも大変なくらいです。特にとしてのアニメ版の八神は、主役になってもおかしくないレベルですね。

八神いぶき
「めぞん一刻」アニメ版
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■更新日:2019/10/12

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