1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

第75話「スーツでおつかい」第65話「一の瀬氏の失業」

響子の母が風邪をひいてしまい、響子は実家へ帰って家事を手伝います。しかし響子の両親は久々に帰ってきた響子をなかなか一刻館に帰してくれません。そこで響子は「一刻館のマクラがじゃないと寝られない」という言い訳で一刻館へ帰ろうとします。が、母律子が一刻館に電話すると、五代が出てマクラを届けに行くことに…

途中、一の瀬夫妻の馴れ初めの「掃き溜めに鶴」の話も追加されたエピソードです。

ブルーレイ:4枚目
TVシリーズ第48話「五代激白!僕の気持ちを判ってほしい!!」
主な出演者:音無響子,五代裕作,響子の父,千草律子,一の瀬氏,一の瀬夫人,鶴子,他

ストーリー(あらすじ)

響子、母が風邪をひいて実家へ

響子は、母が風邪をひいて動けないので実家へ帰ってくるように電話で言われます。 以前、一刻館の管理人を辞めさせようと荒い手を使った母なので「罠じゃないかしら」とまで言って疑いますが、一の瀬夫人に言われて実家へ行くことにします。

行ってみると響子の母律子は本当に風邪を引いていて、熱も相当あるようでした。 そこで響子が代わりに家事をします。そこへ父親も帰ってきて、久々に家族水入らずの雰囲気に。

2,3日の予定が、母の風邪が良くなっても、なかなか一刻館に帰してくれません。

五代、帰り道に一の瀬氏に出会う

ここから先は原作では第65話「一の瀬氏の失業」に出てくるストーリーです。一の瀬氏と一の瀬夫人の馴れ初めの話ですね。

五代は帰り道に、偶然一の瀬氏に出会います。そして屋台で飲まないかと誘われます。原作では五代が一の瀬氏に初めて会った日の話なので、いきなりそんな話をされて五代は引きまくっているのですが、ここに挿入するともう少しマイルドになるでしょうね。

一の瀬氏は五代が自分の若い頃に似ているといいます。一の瀬氏は就職した小さい会社にいた鶴子さんにあこがれていました。「掃き溜めに鶴」というのはあのことでしょう、と一の瀬氏は続けます。

鶴子さん

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でも今の一の瀬夫人(名前は花枝なんですね)もその会社にいました。ある宴会のときに花枝さんは飲み比べして「一の瀬さんが勝ったら奥さんになってやるよ」と言ってきます。

「勝つわけには行かない」と思った一の瀬氏でしたが、なぜか勝ってしまい、そのままずるずる結婚してしまったということです。結婚した後で、飲み比べも実は花枝さんがわざと酔いつぶれたフリをしていたと聞いたらしいです。

一の瀬氏の話を聞いて、かなり引いてしまう五代…。確かに、それに似ているって言われてもねぇ?もっとも五代の場合はこずえちゃんになる訳だから、そんなにひどい話ではない気がしますけれど。

現に第38話「夏の思い出」では、五代は妄想の中でのこずえちゃんと結婚生活で「別に不満はないけど...」と言っているし、客観的に見て何の問題もないような…

原作と順不同なストーリー構成

五代と響子の関係は、第67話「落ちていくのも」で2度もキス未遂(しかも一度目は響子のほうから)があった直後で随分状況が変わっています。ちょっと挿入するタイミングが遅かったかも知れませんね。

原作では第65話で、響子は「掃き溜めに鶴」の存在で、五代は「手の届かない女性」にアプローチしているのだ、と再認識させています。そして、このすぐ後の第67話「落ちていくのも」からの一連のエピソードで大逆転→急接近となるんです。絶妙なタイミングで入れてあるんですね。

原作がいかに非凡なストーリー構成なのかが良くわかります。

引き止められて一刻館へ帰れない響子

もう一週間以上も実家にいる響子。両親は響子を引き止めて、なかなか帰してくれません。

響子の母「ほのぼのとした団らんを味わいたかっただけなのよ。」
響子「一週間以上も味わったじゃないの。」
響子の母「そんなに帰りたいの!?」
響子「気持ちよく帰してよっ」
響子「だいたいねー、あたしマクラが変わるとよく眠れないのっ。」

すると母律子は、一刻館へ電話をかけます。すると五代が電話に出ました。律子は、響子のマクラを届けてもらえないか五代に頼みます。響子に電話を変わりますが、五代は「マクラを届けに行く」と伝えて電話を切ります。律子は冗談で電話したのですが、本当にマクラを届けてもらえることになりました、笑

五代、響子の枕を届けに千草家へ

五代は、千草家に行って響子や両親に会えるということで、スーツを着込んで出かけます。気分は「両親へのご挨拶」。

響子の両親は、一刻館に学生がいることは最初から知っていますが、何度会っても五代の名前は覚えてくれません。

この席次といい、まさに両親へのご挨拶といった風情。でも響子の両親は、そんなことは少しも考えていない様子です。雑談で、今度大学4年になり就職活動することを知ると、どこの会社を狙っているのかとか、大学名とか、色々聞いてきます。

そのうち恋人の話になります。

律子「学生さん、恋人いるんでしょ」
五代「恋人はまだ...好きな人ならいるんですが...」
律子「どんなかた?」
五代「その女(ひと)は、髪が長くて、二つ上なんですけど、なんだかかわいくて...」
律子「まー、二つ年上?じゃ働いてらっしゃるの?」
五代「はい、管理...、か、管理職を...」

響子の両親は、五代をじーっと見ます。

響子の父「五代くん、今までの話を総合すると、きみの好きな人というのは……」
響子の父「とても、偉いんだね(笑顔)」

冗談でいったのではなく、響子の両親だけあって、母親も父親もとてもニブイのでした。

響子は心の中で「ダメよ、あんな言い方じゃ」と思いつつ、五代がもってきたマクラを抱くのでした。

千草家もやっぱり普通の家庭だった

以前、第26話「家族の焦燥」から続くエピソードで、確かに常軌を逸した行動をしていた両親でしたが、今回は描写が深くなってきて、本当はそこまで異常な家庭ではないことが見えてきました。響子が帰ってきた時の父親の喜びようは普通の家庭のものですしね。母親は、響子の性格を一応分かっているみたいで、上手く引き止めています。

いままでは異常な家庭環境に見えていたところもありましたが、このエピソードでは意固地だけれど、別に異常ってほどではないですね。

スーツまで着込んで行ったのに...

五代は、響子の両親に取り入るチャンスとみて、スーツまで着込んで行きました。第29話「私は負けない」では全く入り込めない状況でしたからね。

しかし響子の両親は、ハナから五代のことを響子の再婚相手の候補にすら見ていないようです。どうみているのか分かりませんけど、年下の学生なので、響子には興味を持たないだろうと考えているのかも知れませんし、響子の相手としては頼りないと考えているのかも知れません。

それに、この時点では響子の母は三鷹がお気に入りだし、父は再婚自体に大反対です。

五代は、片思いの相手が響子だと9割方伝えたのに、それが理解できたのは響子本人だけ。両親のほうには、びっくりする程まったく何も伝わらないのでした。ちょっとでもそれっぽいことを言うと、過剰に理解してくれる七尾家とは正反対です。

五代も響子もニブいと言っていますけど、それだけじゃなく、千草家の人ははっきり言わないと相手にしないし、不合格ってことですね、きっと。

ただ響子には伝わったようなので、久々に響子に思いを伝えることが出来ました。もちろん普段から態度で分かると思いますけど、言葉にして言ったのは久しぶり。もしかすると第11話「三鷹、五代!!」いらい?最後は「管理職」と言ってしまい、あいまいにしてしまいましたが。

といっても、このとき本当に響子が好きだと両親に伝わったら、三鷹がいるので断られそうですね。響子だって、まだはっきり五代と付き合うと決めたわけじゃないので、答えに窮してごまかすしかないですよね。

それにしても今回の響子のこの反応は、かなりの手応えですね。五代と響子は、だいぶ通じ合うようになってきたようです。

「めぞん一刻」アニメ版
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■更新日:2019/10/31

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