第52話「配達された一枚の葉書」

これまで惣一郎(旦那)の思い出といえば、響子の視点で見たものばかりでした。さらっとした挿話にも見えますが、初めて惣一郎の視点で見ているということで貴重なエピソードです。
ブルーレイ:5枚目
TVシリーズ第33話「日記にショック!惣一郎に恋人がいた!?」
主な出演者:音無響子,五代裕作,音無のじいさん,郁子,四谷さん,一の瀬夫人,朱美さん
ストーリー
惣一郎の日記
生前、惣一郎は日記をつけていました。五代が家庭教師に行った時に、音無のじいさんから響子に渡すようにと、惣一郎の日記を五代に託します。
この日記を渡すと、響子がまた惣一郎を思い出してしまうじゃないか、と五代は想像します。

案の定、五代の想像したとおり、響子は惣一郎を思い出してしまうのでした。

五代の想像のシーンと全く同じなのですが、服装を変えてちゃんと描き直してるんですね。
悪い予感は大体当たるんですよね、『めぞん一刻』では。
現実の世界では、人間悪い方向に考えがちなので、悪い予想が当たる確率は比較的低いようですけど。
惣一郎の日記の内容
高校の講師の初日は4月10日。その日に学級委員だった響子に会ったんですね。(4月といえば命日って何日なんだろう...、相当近いんじゃないか?)
ですが、「惣」一郎だけのことはあって、毎日の食事の献立とその感想ばかり並んでいました。
食べるのが好きらしい、というのは他でも明かされているので新味はないですけど。
しかし、響子は気になるページを見つけます。食事の話ばかりだったのに、急に女性の話が出てきたのです。手紙を差し込んだ後があるのですが、響子から惣一郎に悩むような手紙を送った記憶はありません。

ラブレターみたいなものは、さすがにハガキじゃ送らないですよね。じゃあ、なんなのか。
でも、あの惣一郎が食事が喉を通らないほど悩んでいるという...。もしや他に女性が居たのではないか?と、疑心暗鬼(ぎしんあんき)になり嫉妬(しっと)に駆られます。
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手紙を探して
響子の性格からして嫉妬が始まると、もう気になって仕方がありません。夜も眠れなくなってしまいます。
仮に惣一郎に他の女性がいたとしても27歳なので何の不思議もありません。結婚前の話なのだし、ライバルがいたのだとしたら、惣一郎が響子を選んで結婚したことになるので、そのほうがある意味いいかも知れない、と思うんですけど。

気になって仕方がない響子は手紙を探しますが、なかなか見つかりません。五代にも聞くことが出来ませんでした。
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五代のカバンの中に落ちていた
手紙は、五代のカバンの中に落ちていました。その五代ははがきを響子に渡しました。ラブレター(?)みたいなものを五代に見られたのではないか?と一瞬思った響子ですが、手にとって見てみると、ただの暑中見舞い。安心した響子は、五代に感謝します。

暑中見舞いを渡しただけなのに、なんでそんなに感謝されるのか理解できない五代でした。

それにしても本当にそっけないただの暑中見舞いですね。普通、一言くらいは何か添えておくものですけど...
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惣一郎は響子をどう思っていたのか?
読者目線でとりあえず客観的に分かったのは、惣一郎は女性に目もくれず勉学に励んでいて、響子から暑中見舞いをもらっただけで悩んでしまうという、超奥手だったことですかね。
もっとも筆者は、男女問わず年賀状はもらいましたが、「暑中見舞い」ってもらった記憶がないですね。
惣一郎だって講師だったんだから生徒から年賀状はもらっていたでしょうけど、女子から「暑中見舞い」をもらったこと自体はじめてだったのかも知れません。
『めぞん一刻』って、響子が卒業してから、駆け落ち同然で結婚に至るまでの経緯が謎なんです。
でも響子の強い押しだけで結婚したんじゃない、ってことですね。 このエピソードの響子の反応を見るに、惣一郎と響子は相思相愛で、響子の予想よりも前から惣一郎は響子を意識しはじめていたってことです。
むしろ、亡き惣一郎は、響子が惣一郎を好きになるよりも早く、響子のことを意識し始めたのかも。 響子が考えるよりも、惣一郎は響子に強く惚れていたんだなと思います。