1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

第42話「明るい5号室」、第43話「坂の途中」(五代の家出エピソード2)

原作では5話連続という壮大のストーリーです。TV版アニメでは2話に詰め込んでいますが、その2回目です。

五代は響子に電話をかけますが、ソープ嬢彩子と同棲していると誤解している響子は、全ての部屋は埋まってしまった、と答えます。一方、ソープ嬢彩子とヤ○ザの男は、五代の荷物を質屋に入れてそのお金を競馬ですってしまいます。五代はアパートからでて坂本の家に泊まらせてもらいますが、それも難しくなり、路上を徘徊することになります。どうしようも無くなって一刻館へ向かいますが...

ブルーレイ:6枚目
TVシリーズ第31話「一刻館スキャンダル五代くんが同棲中!?」
主な出演者:音無響子,五代裕作,彩子,四谷さん,一の瀬夫人,朱美さん

ストーリー(あらすじ)

引越し先から逃げ出す五代

五代は誤解を解いて一刻館へ戻ろうと、何度も管理人室に電話しますが、響子に切られてしまいます。

五代が引越し先のアパートに帰ると、ヤ○ザな男とトルコ嬢(彩子)が五代の荷物を質屋に入れて、その金を競馬で擦ってしまい、余ったお金ですき焼きを作って食べていたのでした。

五代は引越し先から逃げ出して、茶々丸に向かいました。そこで、たまたま飲んでいた一の瀬さん、四谷さん、朱美さんに、事情を説明します。

響子、怒りの頂点に

一の瀬さん、四谷さん、朱美さんは酔っ払ってしまっていて、五代から聞いた話をちゃんと理解していませんでした。

逆に同棲している女性との、のろけ話のように受け取ってしまい、響子は怒りの頂点に...。

そこに五代から電話がかかってきます。誤解は解けたと思っている五代は、一刻館へ帰りたいと言いますが、響子は「5号室も、2号室も、3号室も、全部ふさがってしまって入居出来ません」と答えて、電話を切ります。

するとすぐにまた電話がかかってきます。でも、今度は茶々丸のマスターでした。マスターから五代の実情を聞いた響子ですが、思いっきり全室埋まってしまったと言った後なので、まさにあとの祭り。響子のほうから電話を掛けることも出来ません(携帯電話とかないですから)。またもやニアミスです。(何回目!?)

五代は坂本の家に

どんどん落ちていく五代ですが、とうとう引越し先にも居られなくなり、こっそり一刻館に忍び込みます。

そうすると、空き部屋の五号室では宴会の真っ最中。新しい入居者の歓迎会かと誤解し、部屋が埋まってしまったのは本当だったのだと勘違いします。そして、雑巾がけしていた響子の持っていたバケツの水を、朱美が窓の外にぶちまけると、そこに五代がいて思いっきり水をかぶって酷い風邪を引いてしまいます

仕方ないので、坂本の家に泊めてもらいます。そのまま坂本の家で一週間過ごします。

しかし、ある時、坂本の家にいくと女の子を連れ込んでいる最中。五代は遠慮して、他に泊まる場所を探しますが見つかりません。どうしようも無くなった五代は、もう夜の街を徘徊するより他ありません。酷い風邪を引いた上、この容赦ない落ち方は、路上生活者にでもなってしまいそうな勢い...

五代を探す響子

責任を感じた響子は五代を探して、大宇宙ホールの2階の五代の引越し先の部屋を訪ねますが、トルコ嬢の彩子からもう一週間も帰ってこないと告げます。

音無家に電話しても、ひどい風邪で家庭教師に来れないと連絡があったとのことでした。

響子は大学の構内などを探し回ります。原作には出てきませんけど、大学の構内を探すのはいい案ですね。秋だから学期中ですね、きっと。

時計坂にて

響子ら一刻館の住人たちは、茶々丸で飲んでいますが、響子も沢山飲んでしまいます。一刻館に帰ると、ちょうどそこに五代がいて一刻館を覗いていました。

泥棒と間違えられた五代は逃げ出しますが、響子はすぐに気づいて五代を追いかけます。全力で走って追いかけて五代をつかまえます

この誤解に誤解を重ねたストーリーを終わらせるには、何がなんでも、今ここで全力で走ってつかまえるしかありません 。そうしないと「誤解の無限ループ」から永遠に抜け出せそうにないです。前回、五代が響子を追って走ったときは、電車のドアが閉じるのに間に合わなくて、ここまでの事態に発展しまったんですしね。

響子「お願い帰ってきて!部屋はあります。」

響子と五代は、道に座り込んで泣き出すのでした。

TV版アニメも良いんですが、響子が随分おしとやかなキャラになっていますね。

原作のラスト・シーンはまるで子供のようですけど、やっぱり凄い落差というか、これだけ行き着くところまで追い込んだのだから、大どんでん返しで一気に解決するシーンなら、この位、感情が爆発しないと溜まりきったフラストレーションは解消できないですね。5回連続の大作エピソードのラストにふさわしく、圧倒的な名シーンになっています。

このシーンを声優が演じたらどんな風になったのか、観てみたかったですね。

『めぞん一刻』らしいストーリー構成と、テクニックを超越した凄さ

この時期だと、五代も響子も、ここまで追い詰められないと素直にならないんですね。響子は相変わらずですけど、五代のほうも響子を理解している、とまでは言えない感じで、距離が近づいたり離れたりという感じです。2人の関係はまだまだ「坂の途中」。

この「誤解を重ねて行ってテンションを上げていく」やり方は、『めぞん一刻』全体に通底していますね。最後の最後までこの手法でストーリーを作っています。仕組みは明らかなのに、何度読んでも圧倒されて感動してしまう凄さ

スリリングなストーリー構成のテクニックとかは、もちろん素晴らしいと思うのですが、それだけでは説明できない『めぞん一刻』の凄さ。若い頃の高橋留美子先生のパッションとか、鋭敏なインスピレーションには、本当に圧倒されます。

「めぞん一刻」アニメ版
VOD:ビデオオンデマンド Amazonプライム(一話110円)

■更新日:2019/09/22

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