1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

第100話「桜迷路」(惣一郎の5周忌)

五代が内定した会社が潰れてしまい、五代は就職浪人に。 その春の命日に響子はお墓参りに行き、音無家で亡き惣一郎の話を聞きます。 音無惣一郎も響子の高校の教師になるまで似たような人生を歩んでいました。 響子は五代を励まそうとバイト先の保育園に向かいますが、そこで五代に亡き惣一郎の話をしてしまい、気まずくなってしまいます。 桜が満開の神社の境内を散歩する無言で二人ですが…

喪服の音無響子が魅力的に描かれていることで神回です。また桜が満開の中、不思議な雰囲気を持ったエピソードです。アニメ化されなかったのが勿体(もったい)無いエピソードです。

ストーリー(あらすじ)

亡き惣一郎の思い出

響子は、亡き惣一郎のお墓参りの後、音無家に寄ります。今年のお墓参りの髪型はロングですね。第77話「春の墓」で心の整理をつけて、その髪型でお墓参りしたようです。

郁子ちゃんはもう高校生になったんですね。八神いぶきとあまり変わらない年齢ですね。

高校生の郁子

そこで就職浪人した五代の話に。亡き惣一郎も同じように響子の高校の講師になるまで、長いことブラブラしていた話を聞きます。

音無のじいさん「もっとも惣一郎の場合、無職だからって全然おちこんでなかったがな」
音無のじいさん「飯ばっかり食っとったなぁ」
音無のおばさん「ほんとによく食べましたね」
音無のじいさん「あれは全然悩んでなかったな。」
音無のおばさん「どんなに悩んでても食欲にだけは影響のない子だったんですよ。」

響子は高校時代を思い出します。まだ亡き惣一郎が講師に着任して日が浅い頃ですね。響子を呼び止めて一緒にまんじゅうを食べます。本当は桜餅を買いたかったのですが売り切れでした。

響子「五代さんもあのくらい超然とできればいいのにね。無理か、性格違うし」

響子は、亡き惣一郎と五代が違うことは、最初から認識していますね。実際、これより前のエピソードでも響子自身が「亡き惣一郎と五代が似ている」と考えるシーンはありません。

保育園でバイトする五代

就職浪人した五代は大学の人形劇クラブで一緒だった黒木小夜子の紹介で、保育園でバイトすることになります。

でも手先が器用で、子どもたちに好かれやすい五代には、案外向いている仕事でした。

保育園でバイトする五代

響子、保育園へ

響子は保育園で働く五代を遠目にみて、元気が無さそうなことにすぐに気づきます。「やっぱり会わないで帰ろう」とすると、黒木小夜子に見つかって、五代を呼び出してしまいます。

響子は桜餅を買ってきていたので、五代にすすめます。亡き惣一郎が売り切れで買えなかった桜餅。それを買ってきて五代に奨めるという…まあ、春なので桜餅自体は全然普通ですけれど。考えていることと実際やっていることが矛盾しているようにも見えますね。

しかし五代は食欲がなくて、結局食べませんでした。結果として亡き惣一郎と同じです。

落ち込む五代に、響子は、さっき聞いた亡き惣一郎の話をして励まそうとします。

五代「僕は…惣一郎さんじゃありませんから。」

響子は別に亡き惣一郎と五代を比べようとしたわけではありません。ただロングとは言え喪服で完全に未亡人ルックだし、桜餅を薦めたりするのもやっぱり亡き惣一郎のウェイトが高い日だったんじゃないかと思います。五代も喪服の響子をみれば、惣一郎を思い出さないわけには行きませんからね。

しばらくして五代は響子のところに戻ってきますが、気まずい雰囲気に。黒木は二人に「散歩でもしてきたら」とすすめます。

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神社の境内にて

神社の境内の桜並木を散歩する五代と響子。お互い考え事をしていますが、あまり会話はありません。

『めぞん一刻』でこんなに桜が満開なシーンで他にあったでしょうか。『めぞん一刻』での桜の位置づけは『めぞん一刻』と桜で書いてみました。しかも場所は神社の境内ですしね。なので何か特別なエピソードなのだろうと感じます。

五代「このままじゃ彼女を見失ってしまう」

と考えているうちに、本当に響子を見失ってしまった五代。

再会したのが、この有名なシーンです。桜の木に寄りかかる喪服でロングの響子。音無響子の絵の中でもひときわ魅力的に描かれています。

桜の木の下にまるで桜吹雪のヴェールにつつまれたような喪服の響子。
でも五代からすればこのシーンの響子は「亡き惣一郎の未亡人」に見えるでしょうね。なので、距離が遠くなったような、また手の届かない高嶺の花に戻ってしまったように感じるかも。実際、このエピソードから数話はちょっと五代と響子に距離ができるのですけど。

一方、響子は去年気持ちを整理したままのロングなので、喪服を着ているとは言え、ちょうど亡き惣一郎から卒業出来るかも知れない分岐点にいるんです。

この時点では、五代から見た惣一郎、響子から見た惣一郎は、全く違った印象でしょうね。本当に凄い絵だなぁと思います。

響子「五代さんは五代さんだから、五代さんなりにがんばってくださいね」
五代「それで…いいんでしょうか」
響子「それでいいと思います。」
「めぞん一刻」アニメ版
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■更新日:2019/12/30

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