1980年代の名作漫画(アニメ)『めぞん一刻』(高橋留美子氏原作)のまとめサイトです。

深読み!『めぞん一刻』

一刻館

一刻館について、いろいろ想像を巡らせてみたいと思います。

もちろん『めぞん一刻』は「一刻館」という建物だけではなく、管理人の響子と住人達がいて初めて、その世界が成立するわけですが、ここでは建物や大時計などについて触れてみたいと思っています。

一刻館とは?

一刻館の歴史については、はっきりしたことは言えませんけど、アニメ版によると少なくとも戦争中にはあったということです。

原作にも何かあったような気がするんですが、どこに書いてあったか思い出せません・・・

戦後の高度成長期のアパート(3畳の部屋なんてあったらしい)に比べると、戦前のアパートは広さに余裕があります。

そして時計台なんて立派なものがついているという......。戦前には時計台がついているアパートがあったんでしょうか?当時としてはかなり立派な建物だったんじゃないかと思います。

一刻館は古くて朽ち果ててきていますが、粗末で安っぽいアパートとは違うんです。

一刻館

一刻館の中身

部屋も廊下も水場も意外にゆったり造られています。物干し台など、一部の施設はあとから増設されたように見えます。

時計台の機械室はかなり大掛かりなものです。まるでオランダあたりの風車の機械室を思い出します。

木造とはいえ、やたら壁や床が薄いのか防音が全然出来ていなくて、部屋で少し大きな声を出すとする端っこの管理人室にまで聞こえてしまいます。

部屋については、とても詳しい絵が「一刻館の思い出」に掲載されているので、そちらに譲ります。

大時計

一刻館を象徴しているのは中心にある大時計ですね。この大時計、いつもは10時25分あたりを指して止まっています。

一刻は「わずかな時」という意味を持っています。

また昔の時間の単位でもあります。江戸時代では一刻は2時間だそうです。10時25分は午後だと亥の刻、午前ならば巴の刻。10時を中心に前後一時間の範囲です。さらに30分に分けていてと、午後場合は亥の3刻、午前の場合は巴の3刻になります。

午前、午後どちらにしても9時〜11時が1刻の範囲になります。(参考:江戸時代の時刻)

ただそうするとアニメ版ではたまに11時25分を指しているので一刻の外側になってしまいますね。それだと一刻の中から抜けられないはずなのに一刻の範囲を出てしまいます。なんでだろう?

原作のほうでは、実は何回か他の時刻を指していて、10:35、10:10、9:30などを指しています。(全部を確認したわけではないけれど。)いずれも亥の刻(あるいは巴の刻)の範囲に入っています。そうすると、めぞん一刻の止められた時間世界から抜け出ようとしてるようには見えますが、まだ抜けていません。

危機が終わると元の時刻に戻るので、また時計が動き出した!というわけではないようです。にしても、動いてないのに時間が変わるなんて、なんてゆうミステリー。

大時計が止まった時刻って?

アニメ版では響子が一刻館に来る前は別の時刻を指していて、響子が管理人室に引っ越した後に10時25分を差すようになったみたいです。

原作では不明です。連載開始前に既に止まっていたは確かですね。

大時計の止まった10時25分は、惣一郎の亡くなった時間なのではないかという説もあるみたいですね。つまり「おじいさんの大きな古時計」みたいな話ですね。
響子が買い物から帰ってきた時に「いますぐ病院へ!」という話があるので、そこから考えれば一般的に夕方ごろのような気が...。午前中に昼飯の買い物に行った可能性もありますけれど。

戦前からある建物で、少し時代錯誤な苦学生や貧乏な住人達がいて、もともと時間が止まっているような空間ですからね。時計がかなり昔に止まっていたとしても不自然では無い気がします。

大時計が再び動き始める時

連載の終盤になって、まんが評論家の大塚英志氏は、エンディングについて予測を建てたそうです。この物語の終わりで一刻館の時計は再び動き始めると...
連載中にそんなことを言われてしまえば、仮に当たっていたとしたらストーリーを変更するだろうと思います。野暮というかひどい話ですね。
で結局時計は動かなかった、どころか響子と五代が一刻館に住みつづけるという終末だったので、それを批判したらしいです。(「野田秀樹と高橋留美子」より)

また時計が動きだしたらミステリーが解決してしまって、ミステリアスさが失くなってしまいますよね。アニメ版ならありえる話ですけど、原作のミステリアスさはもっと根が深いような気がするので、一刻館から出て行っても、住みつづけてもどっちでも良かったのかなと思います。

推理小説ではないので、最後に秘密が明かされる、という訳ではなく、あえてミステリアスさを残しているところが沢山あります。なので色々想像して楽しめるというものですね。

そういう所を種明かしして説明しようなんて無意味なことじゃありませんか。でも、めぞん一刻には結構凄い本が何冊かあります。確かに「めぞん一刻」は、読んでみて凄く面白いのは間違いないのですが、なぜ面白いのかと問われるととすぐに答えが出てこないので、そこが一番のミステリーなんじゃないでしょうか。

SF小説家の平井和正はめぞん一刻に魅せられて、まだ連載中の時期に「めぞん一刻」考を書いています。これには高橋留美子の挿絵が入っていて対談もしているので、きっと出版前に確認はしたんでしょう。ファンの目線と小説家の博識で、すごい分析をしています。書いてあることの全部に同意できるわけじゃないですが、その位の深読みに耐えられる漫画なんですね。

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大時計のオルゴール

大時計には、振り子の時計のように、時間を知らせるオルゴールがついています。

このオルゴール、第3話で夜中に壮大に鳴り響いています。丘の上にあるとはいえ、そんな轟音で鳴り響くなんて...。

時計の針は動きませんが、オルゴールは壊れていないみたいですね。いや、時計と連動せずに鳴り続けるんだから、やっぱり壊れてるのか。

「めぞん一刻」アニメ版
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■更新日:2019/10/10

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